前回、少しだけ3本持つ必要性に触れていきました。
「遠」「中」「近」
を覚えていますでしょうか?
使う場面や見るものに合わせて度数を調整したり、レンズの機能を変えることは必要不可欠なことです。
「遠」は、建物や景色を見たり、運転の際に必要な度数。
「中」は主にオフィスや室内で使うことを前提とした度数。
「近」はスマホや読書、あるいは手芸など近くを見るために必要な度数です。
え?一本しか使ってないけど全部見えるよ?
とおっしゃる方もいるかもしれません。
それは、調節力があるからこそできる芸当なのです。
この調節力は目の周辺の筋肉と捉えて良いです。
この目の筋力が強いうちはピントをある程度調節し、近くの物、遠くの物にピントを合わせることができます。
ただし、このピントを調節する機能はずっと保てる訳ではありません。
一日のうち、使い続ければ当然疲れてしまい、ストレスやかすみ目の原因になります。
そうして疲労が蓄積していった結果、ピントの調節力が弱ったり、老眼が進行していくのです。
個人差はありますが、小3以降のほとんどの10代、20代から加入度数(Adittion)というものが入っていきます。厳密に言うと入ってない人はいないです。弱くても必ず入っております。
加入度数を簡単に言うと、近くを楽に見ることができる度数です。
この、加入度数が搭載されたレンズというのが、いわゆる「遠近両用レンズ」になってきます。
調節しきれない分、レンズに調整してもらっている状態と言えます。
人間の目というのは、遠くを見るときは目の筋肉がリラックスした状態で、
近くを見るときは筋力をピンっと張る性質があります。
このピンっと張った状態を維持しているシーンというのが、スマホを見たりPC画面を見続けている場面です。
前述したように、このシーンを継続的に長く続けていると疲労を蓄積し、目の奥の痛み、眼精疲労感が伴います。
それでも目の調節力を使い、目に負担を強いることで老眼へとどんどん進むのです。
様々な方を測定してて思うのですが、普段裸眼で過ごされる方は特に疲れている度合いが高いです。
ずっと自分の目の筋力を使って調整している状態ですからね…。
ということで、見る物の距離に合わせて度数を変えましょう。というのが3本持つことの前提にあります。
具体的に、まず20代の私だったら3本に何を入れるかを考えてみました。
【若い世代に提案するとしたら】
1本目:運転に適した遠く用の度数を入れた、単焦点レンズ。
2本目:遠く用と、近く用にゆっくりと移り変わる度数が入ったアシストレンズ。
3本目:スマホやPC作業に特化させた近く用の度数が入った単焦点レンズ。
で、入れると思います。実際にそうしています。
ここで「単焦点レンズ」と、「アシストレンズ」が出てきました。
これら両者の違いとしましては、
単焦点レンズというのが、1つの焦点のみのレンズです。
1本目は完全に遠くを見る為に作ったものです。
近くを見ることもできますが、その際は自分の目の筋肉(調節力)を使います。
アシストレンズというのが、真正面は遠く用の度数が入っています。
しかし、下側にはグラデーションのように近く用の度数に移り変わっていく性質があります。
ここでお気づきかもしれませんが、こちら、遠近両用によく似た構造をしております。
ただし、遠近両用よりももっとマイルドに度数が移り変わり、さらに近く用の度数もとても弱いものです。
このアシストレンズは10代からでもかけられるくらいです。
30代後半~40代になってくると、人によっては近く用の度数が足りず、対応できないこともあります。調節力が衰えやすかったり、疲れ目がかなり強い方などです。
こうすることで、自分の目の筋力を使うというよりも、レンズに調節を任せている状態なので、疲れ目対策になり、老眼の進行もゆるやかとなります。
将来を考えると、持っておくと良いレンズです。
度数が強くなるほど、どうしてもレンズを薄くしたり、見え方を良くしたりでお金がかかってきますからね。
アイケアを早いうちにはじめていただくのが後に経済的です。
次回、40代以降からの3本はどんなレンズを入れたらいいのかについてお話します。
ここまでご覧下さり、ありがとうございました。