レザーソールの摩耗は激しい。
買った靴にすぐにトゥスチールを付けるのは一般的かもしれない。
しかし、私は買ってすぐにではなく、しばらく履いてみて、相性がよく、これから長く使っていく靴にだけヴィンテージスチールを取り付ける、と決めていた。
最初はいい顔してた靴も、履いていくうちに仲が悪くなる子だっている。そうなると、折角大金を出して買った靴を売ってしまうことになる。当然、それは修理代も含めて勿体ないことだ。だから、十分に履き慣らして自分の足と相性が良い物にだけ、長年履けるように修理を施すことにしている。
いつか付けてみたいと思っていたところ、たまたま機会があったので初めて付けてみることにした。
付けた靴は、シェットランドフォックスのアバディーン。
本当にこの靴は自分の足との相性がよく、いくら歩いてても疲れにくい。履き初めは若干タイトめだったが今はすっかり馴染み、まるで自身の一部かのようだ。
全体的にスッキリとしたシェイプである為、足が細長い形の人にオススメしたい靴である。
それでは、比較してみよう。
まずは見た目から。
オペ前。一見綺麗に見えるが、つま先のヒドゥンチャネルが剥がれたせいでつま先から見た図はなんともみすぼらしい姿になっていた…
オペ後。これでしばらくは削れることは無いという安心感がある。ウェルトまで削れてしまうと修理代も高くなってしまう。ある程度削れてきたら取り付けるのはいい選択だと思う。
そしていかにも、靴が好きそうな人って感じがする。私の偏見だが、靴を消耗品として使うユーザーはわざわざ手間をかけて付けに行くはずがない。靴が好きな人は長持ちさせるためにこのような手間を惜しまないからこそ、靴好きと言えるのだろう。
付けた後と前で歩いた時の違い。
付ける前は足の裏全体がレザーなので柔らかい感触で地面を踏みしめることができる。ソールの曲がり具合、つまりかえりが非常に良いのだ。
対して、付けた後の感触としては、つま先のみ地面からの反発が強い印象だ。ソールのかえりが悪くなるので付けないという人もいるが、なんとなく分かる気もする。しかし、つま先だけなので変化としてはわずかだ。
なんとも不思議な感覚に、慣れない内は違和感を覚えるかもしれない。そして歩くたびガチッガチッと踏むたびに金属の鈍い音が走る。私は特に音に関してはそこまで気になることは無いが、足の裏の感触が大分変わると感じる。そこが、一番の慣れない点だ。
新品でソールが硬い状態でスチールを取り付けるというのは、ちょっと歩きにくい気がする。
アスファルトのような凹凸の多い地面では大して大きくは響かない。駅のホームや店内だと聞こえやすい。屋内だと気になる人は一定数はいそうだ。素知らぬ顔をして歩くしかない。
まとめ
・ヴィンテージスチールを付けてみて、長く付き合う靴には、ソール(つま先)の削れ過ぎを防ぐ為に取り付けるのはオススメだ。
しかし、人によっては金属音や足裏の感覚がかなり気になる人はいるかもしれない。
・店舗にもよるが、修理代がそこそこかかる為、履き慣らして相性が良いと感じたもの、これから長く使うと決意したものに、よく吟味してから取り付けるのが良いだろう。
それでは、ここらで失礼します。(^_^)/